2021年1月27日

メンバー紹介  中野安章

 

中野安章(なかの やすあき)

 専門は、哲学・科学思想史。イングランド、及びアイルランドにおける、17-18世紀の自然哲学に関心があり、主としてGeorge Berkeley の視覚論、その自然学と形而上学との接続に関して研究し、また担当した講義ではBaconやBoyleの実験哲学などを扱ってきました。

 「イングランド啓蒙」をテーマとしたこの共同研究では、政治・倫理・宗教思想も含めて他の方々から学びつつ、特にBacon, Boyle, Whistonを中心に、ボイル講演の設立に至るまでの17世紀イングランド自然神学の形成過程を明らかにしたい(さらに出来ればその後のヴィクトリア時代までの展望も開きたい)と考えています。



2021年1月25日

第18回研究会の報告

 

第18回イングランド啓蒙研究会

2021/1/24 オンライン

 第18回研究会では、前回に引き続き、科研費基盤B「イングランド啓蒙への学際的アプローチ―「開かれた理性」の復権を目指して―」の成果発表論文集について、前回発表を行えなかったメンバーが、担当章の構想発表を行った。各メンバーの発表内容及び啓蒙思想との関係を中心に、主意主義と主知主義、自然神学と理神論、刑罰の効果と功利主義等について、活発な議論が行われた。

  • 啓蒙時代以前の光 ― リチャード・フッカー『教会政治法論』の構造
  • イングランド自然神学の形成 ― 17世紀から18世紀初期までの発展史
  • ロックの刑罰論


 また、イングランド啓蒙を理解する上でも重要なフランシス・ハチスンの『美と徳の観念の起源』について、報告者から、ハチスンの生涯、影響関係、人物像、関連文献等について紹介がなされた後、同著作の序文(特にハチスンの基本的な構想や道具立て)の検討が行われた(「第一論文」の検討は次回)。その中で、ハチスンの美の感覚とロックの生得観念説批判について議論が行われた。