2019/12/28 福岡大学
今回の研究会では、各自の近況について報告した後、 (1) M. Goldie 1999, ‘Introduction’ of The Reception of Locke’s Politics, in Goldie ed., The Reception of Locke’s Politics: From the 1690s to the 1830s, vol. 1, Pickering & Chatto 及び、 (2) W. Molyneux 1698, The Case of Ireland being bound by Acts of Parliament in England, Stated, in Goldie ed. 1999, The Reception of Locke’s Politics, vol. 1 について議論を行った(報告者:柏崎)。
(1) では、思想史研究におけるロックの位置づけ(脱中心化と再中心化)について、ゴルディの議論を確認した上で、ロック自身の意図(執筆・出版を問わず)とは必ずしも一致しない受容の在り方(後世への影響)の多面性・多様性ついて、議論が行われた。
(2) では、モリヌーが同著作で論じる6つの論点のうち、4つの論点(の途中まで)を取り上げ、『統治二論』の議論がどのように援用されているのかを中心に検討を行った。より具体的には、アイルランド議会の独立性が、ロックの契約論(同意、合意、権利、義務、といった概念)に即してどのように正当化されているのか、モリヌーの議論を検討した。
最後に、今後の研究会の日程・内容、海外研究者の招聘計画、書評論文の執筆等について、打ち合わせを行った。