イングランド啓蒙研究会の共同研究の成果が、このたび編著として刊行されました。
青木滋之、柏崎正憲、武井敬亮(編)
『啓蒙主義に先立つイングランド啓蒙 学際的研究から迫る思想の源流』
晃洋書房
2026年5月
出版社ウェブページ https://www.koyoshobo.co.jp/book/b675604.html
【紹介文】
イングランドに啓蒙“主義”は存在しなかった。
だが、その「光」はあった。
ベーコン、ホッブズ、ロック、ニュートン、トーランドのいずれも、一体的な運動を展開したわけではない。だが、啓蒙の光は確かに存在していた。のちにスコットランドやフランスで展開され、世界を照らした光の源があった。本書では、哲学、科学史、倫理学、教育思想、宗教思想、政治思想・政治理論、社会思想史、経済学史という多彩な分野を渉猟しながら、啓蒙の歴史的全貌を明らかにし、一つの大きな「啓蒙運動」の根底を提示する。あまりに明るく直視されてこなかった光源を見つめ直し、解明する大著。
【目次】
序論 イングランド啓蒙とは何か 〈青木滋之・柏崎正憲・武井敬亮〉
第1部 実験性・経験性 Experimentality and Empiricalness
小序 〈青木滋之〉
第1章 実験哲学から経験論へ――実験哲学が駆動したイングランド啓蒙 〈青木滋之〉
第2章 「試みること」から知性の自立へ――啓蒙の原理としてのロック自己教育論 〈瀧田 寧〉
第3章 自然哲学者が聖書を解釈する――ウィストンのニュートン主義自然神学 〈中野安章〉
第2部 自立性・自律性 Independence and Autonomy
小序 〈柏崎正憲〉
A 知的自立から道徳的自律へ
第4章 普遍的なものを知る人間とは何か――イングランド啓蒙における理性と知性 〈竹中真也〉
第5章 善を知ることと意志すること――ロックにおける二つの自由 〈内坂 翼〉
B 自立的・自律的人間像と社会の改善・改革
第6章 労働観の変容と啓蒙的人間像――ユートピアからポスト宗教改革の社会思想へ 〈柏崎正憲〉
第7章 女性思想家にとっての「啓蒙」―― ウルストンクラフト、モア、バーボールドのロック受容を手がかりに 〈梅垣千尋〉
C 自立性・自律性の限界と政治的啓蒙
第8章 反近代への啓蒙――フィルマーの契約論批判再考 〈小城拓理〉
第9章 啓蒙思想の影?――アメリカ植民地におけるロック政治哲学の展開 〈渡邊裕一〉
第3部 受容性・寛容性 Latitude and Tolerance
小序 〈武井敬亮〉
第10章 神の恵みと協働する理性――フッカーの理性主義と啓示・聖書主義 〈田子山和歌子〉
第11章 宗教の合理化としての啓蒙――トーランドの聖書解釈における理性の役割 〈武井敬亮〉
第12章 寛容論の観点からイングランド啓蒙をみる――フランス啓蒙との比較 〈沼尾 恵〉
