第19回イングランド啓蒙研究会
2021/2/28 オンライン
第19回研究会では、前回に引き続き、イングランド啓蒙を理解する上でも重要なフランシス・ハチスンの『美と徳の観念の起源』「第一論文」の報告と検討がなされた。
ハチスンにとっては「多様性を伴う均一性」に美を見出す感覚は生得的なものだとされるが、この美的感覚が一般的な基準となるかが議論された。ロックにおいて美の多様な嗜好は習慣や教育によって形成されるとされるが、ハチスンは美の対象の好みが多様であることを認めつつ、美の感覚は均一で内在的なものだとみなす。
美的感覚の生得性・内在性を支える神の存在と性質についても議論のテーマとなった。