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2025年4月8日

[4/12] ディドロ『ダランベールの夢』における「補遺」と〈フィクション化〉を読む(田口卓臣)


第38回研究会

公開研究講演会

「啓蒙の複雑性と逸脱性を考えるために――ディドロ『ダランベールの夢』における「補遺」と〈フィクション化〉を読む」

 


 

■ 4月12日(土曜日)13:00-17:00

■ 中央大学 多摩キャンパス フォレストゲートウェイ F408教室
 https://www.chuo-u.ac.jp/access/tama/

13:00-13:10 趣旨説明(青木)
13:10-14:40 田口先生の講演 ※途中、小休憩を挟む
14:40-15:00 休憩時間
15:00-16:30 質疑応答
16:30-16:35 閉会あいさつ(青木)

 

■ 発表者

田口卓臣(中央大学文学部フランス語文学文化専攻教授)

 専門はディドロを中心としたフランス文学・思想。主な著書・訳書に『ディドロ 限界の思考』(風間書房), 『怪物的思考 近代思想の転覆者ディドロ』(講談社選書メチエ), 『ペルシア人の手紙』(講談社学術文庫), など

 

■ 発表要旨

 本発表では、「啓蒙」を、画一的・目的論的な解釈図式から常にすでに逃れ去る思想運動として捉えてみたい。その際、主に注目するのは、「フランス啓蒙」の中核を担ったディドロの思想活動である。

 とりわけ、先行の思想的文脈に「補遺」を衝突させるディドロ独自の方法、および、その方法を通じてディドロ自身にとってすら予測不能な発見を引き寄せてしまう言表行為の特徴を抽出する。その上で、後期ディドロの代表作『ダランベールの夢』(およびその先行思想の文脈)を描き出しながら、様々な解読格子を容易にすり抜けていくこの作品の魅力に迫ってみたい。

 この一連の読解作業を通じて、フィクションを介して「哲学」を語ろうとするディドロの複雑な方法が、「啓蒙」の複数性と逸脱性を物語る恰好の事例であることを明らかにできれば、と考えている。